ニューヨークのシンガーソングライター、ミツキがニューアルバム『The Land is Inhospitable and So Are We』 「Star」の新しいビデオを公開した。ビデオの監督はMaegan Houangが手掛けた。ミツキは同時に世界ツアーの日程を発表した。今後のアーティストのツアー日程は以下の通り。


HouangはプレスリリースでMVについて次のように語っている。「ミツキと私が過去に一緒に制作した、より物語的でコンセプト重視のビデオとは異なり、このビデオは、私たち全員が経験する印象的な循環を表現したかった。我々の人生は、光と闇の間で揺れ動き、永久のものは何もない無限のサイクルで繰り返される。最高の瞬間はつかの間だが、悪い瞬間もまたつかの間だ」


ミツキは『The Land is Inhospitable So Are We』の曲を何年もかけて一気に書き上げた。このLPは主にナッシュビルのボム・シェルターでレコーディングされ、パトリック・ハイランドが共同プロデュースした。このアルバムはMUSIC TRIBUNEのアルバムオブザイヤーに輝いたほか、レビューでも⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️を満場一致で獲得した。



「Star」





Mitski 2024 Tour Dates:


Sat. Apr. 27 - Edinburgh, UK @ Usher Hall ✺ 

Sun. Apr. 28 - Edinburgh, UK @ Usher Hall ✺ 

Wed. May 1 - Manchester, UK @ 02 Apollo ✺ 

Sat. May 4 - Dublin, IE @ 3Arena ✺ 

Mon. May 6 - Wolverhampton, UK @ The Civic at the Halls ⁂ 

Wed. May 8 - London, UK @ Eventim Apollo ⁂ 

Thu. May 9 - London, UK @ Eventim Apollo ⁂ 

Fri. May 10 - London, UK @ Eventim Apollo ⁂ 

Sat. May 11 - London, UK @ Eventim Apollo ⁂ 

Tue. May 14 - Brussels, BE @ Cirque Royal ✥ 

Wed. May 15 - Brussels, BE @ Cirque Royal ✥ 

Fri. May 17 - Paris, FR @ Le Grand Rex ✥ 

Sat. May 18 - Paris, FR @ Le Grand Rex ✥ 

Mon. May 20 - Amsterdam, NL @ Royal Theater Carré ✥ 

Tue. May 21 - Amsterdam, NL @ Royal Theater Carré ✥ 

Fri. May 24 - Berlin, DE @ Tempodrom ✥ 

Sat. May 25 - Berlin, DE @ Tempodrom ✥ 

Tue. May 28 - Frankfurt, DE @ Jahrhunderthalle ✥ 

Thu. May 30 - Zürich, CH @ Theatre 11 ✥ 

Sat. Jun. 1 - Barcelona, ES @ Primavera Sound

Tue. Jun. 4 - Madrid, ES @ Noches Del Botanico

Thu. Jun. 6 - Porto, PT @ Primavera Sound

Sun. Aug. 18 - London, UK @ All Points East Festival at Victoria Park [Headline Performance]

Tue. Aug. 27 - Detroit, MI @ Masonic Temple Theatre ★ 

Wed. Aug. 28 - Detroit, MI @ Masonic Temple Theatre ★ 

Fri. Aug. 30 - Columbia, MD @ Merriweather Post Pavilion ★ [SOLD OUT] 

Sat. Aug. 31 - Columbia, MD @ Merriweather Post Pavilion ☾ [SOLD OUT] 

Sun. Sept. 1 - Columbia, MD @ Merriweather Post Pavilion §

Tue. Sept. 3 - Cleveland, OH @ Jacobs Pavilion ★ [SOLD OUT] 

Fri. Sept. 6 - Atlanta, GA @ The Fox Theatre ★ 

Sat. Sept. 7 - Atlanta, GA @ The Fox Theatre ★ 

Sun. Sept. 8 - Atlanta, GA @ The Fox Theatre ★ 

Tue. Sept. 10 - Sugar Land, TX @ Smart Financial Centre ▽ 

Thu. Sept. 12 - Austin, TX @ Moody Center ✦ 

Fri. Sept. 13 - Grand Prairie, TX @ Texas Trust CU Theatre ▽ 

Sat. Sept. 14 - Grand Prairie, TX @ Texas Trust CU Theatre ▽ 

Tue. Sept. 17 - Morrison, CO @ Red Rocks Amphitheatre ✽ 

Wed. Sept. 18 - Greenwood Village, CO @ Fiddler’s Green Amphitheatre ✽ 

Sat. Sept. 21 - Portland, OR @ Moda Center ✽ 

Mon. Sept. 23 - Berkeley, CA @ Greek Theatre ◇ [SOLD OUT] 

Tue. Sept. 24 - Berkeley, CA @ Greek Theatre ◇ [SOLD OUT] 

Wed. Sept. 25 - Stanford, CA @ Frost Amphitheater ◇ 

Sat. Sept. 28 - Los Angeles, CA @ Hollywood Bowl ∞


✺ w/ Richard Dawson 

⁂ w/ Miya Folick 

✥ w/ Iceage 

★ w/ Lamp 

▽ w/ Arlo Parks 

✦ w/ Ethel Cain 

✽ w/ Laufey 

◇ w/ Wyatt Flores 

☾ w/ Alvvays 

§ w/ Sierra Ferrell

∞ w/ Sharon Van Etten


先週、ドキュメンタリーが6月にプライム・ビデオでプレミア上映されることが発表され、2月にはグラミー賞でプレゼンターを務めたセリーヌ・ディオンが、フランス版『VOGUE』2024年5月号の表紙を飾り、再びスポットライトを浴び始めている。


クロヴィス・グーとの幅広いインタビューの中でディオンは、2022年に診断された稀な神経疾患であるスティッフ・パーソン症候群(SPS)への対処について語った。その症状によって数年分のツアー計画のキャンセルを余儀なくされたこと、そしてファンなら誰もが気になる点はいつステージに戻れるのかということだろう。


「それは答えられないわ......。4年間、私は自分自身に、もう戻らない、準備はできている、できていないと言い続けてきたのだから......。現状では、ここに立ってあなたに言うことはできない。現状では、私はここに立って、『はい、4ヵ月後に復帰する』とは言えない」とディオンは説明した。「わからないわ...。体が教えてくれるはずよ。一方で、ただ待っていたくはないの。毎日を生きるのは道徳的に難しい。ハードだし、一生懸命働いているし、明日はもっとハードになる。明日はまた別の日だ。でも、決して止まらないものがある。それは情熱。夢。決意よ」


彼女はまた、治療の一環として、週に5日、運動療法、理学療法、発声療法を受けていると説明した。「私が思うに、私には2つの選択肢がある。アスリートのようにトレーニングに励むか、家で自分の歌を聴き、鏡の前に立って自分に向かって歌うか。"私は医療チームと一緒に、頭からつま先まで、全身全霊で取り組むことを選んだ」


筋肉のコントロールを取り戻すために自分を奮い立たせ続ける回復力とインスピレーションをどこから得ているのかと尋ねると、ディオンは家族、ファン、チームの愛を挙げた。「SPSに苦しむ人たちは、良い医者や良い治療を受けられるほど幸運でもないし、そのような手段を持ち合わせていないかもしれない。私はそのような手段を持っており、これは贈り物なのです」と彼女は認めた。「さらに、私にはこの強さがある。誰にも止められないとわかっています」


オスカー受賞者のアイリーン・テイラーが監督を務める『I Am: Céline Dion』は、6月25日に全世界でストリーミング配信される。既報の通り、この作品は、音楽ドキュメンタリーにありがちな長期にわたるキャリアの概観を避け、筋力のコントロールを妨げ、ツアーのキャンセルを余儀なくされた稀な神経障害に対処するディオンの人生における予期せぬ、極めて重要な瞬間をスナップショットすることに主眼が置かれている。


「この2、3年は私にとって挑戦のようなもので、自分の症状を発見してから、それと共存し、管理する方法を学ぶまでの道のりだった。


「パフォーマーとしてのキャリアを再開するための道のりが続く中、ファンの皆さんにお会いできないことがどれほど寂しかったことか。この不在の間に、同じ診断を受けている人たちを助けるために、私の人生のこの部分を記録したいと思うようになりました」

Pillow Queens 『Name Your Sorrow』

 

Label: Royal Mountain

Release: 2024/04/23



Review



アイルランドの有望株、ピロー・クイーンズはデビュー当初から"クイアネス"という彼らの持ちうるテーマを通じて、真摯にオルタナティヴロック制作に取り組んできた。

 

彼らのサウンドにはモダンなオルトロックの文脈から、Queenのようなシアトリカルなサウンド、そしてシューゲイズを思わせる抽象的なギターサウンドと多角的なテクスチャーが作り上げられる。しかし、いかなる素晴らしい容れ物があろうとも、そこに注ぎ込む水が良質なものでなければ、まったく意味がないということになる。その点、ピロー・クイーンズの二人のボーカリストは、バンドサウンドに力強さと華やかさという長所をもたらす。そして、今回、コリン・パストーレのプロデュースによって、『Leave The Light On』よりも高水準のサウンドが構築されたと解釈出来る。そして、もうひとつ注目すべきなのは、バンドの録音の再構成がフィーチャーされ、それらがカットアップ・コラージュのように散りばめられていることだろう。


アルバムの冒頭に収録されている「February 8th」にはバンドの成長及びサウンドの進化が明瞭に現れている。ドラムのリムショットの録音をサンプリングのように散りばめた強固なビートを作り出し、そこにクランチなシューゲイズギターが散りばめられる。サウンドデザインのようなパレットを作り出し、勇ましさすら感じられるボーカルが搭載される。前作よりもボーカリストとして強固な自負心が感じられ、最終的にはそれがクールな印象をもたらす。トラックの背後に配置されるシンセのテクスチャーも、バンドの多角的なサウンドを強調している。いわば前作よりもはるかにヘヴィネスに重点を置いたサウンドが本作の序盤において繰り広げられる。


二曲目でも同様で、「Suffer」では、内的な苦悩を表現し、それらを音楽として吐露するかのような重厚で苛烈なバッキングギター、その上に乗せられるコーコランとコネリーのダブルボーカルがハードロッキングなサウンドに華やかさをもたらす。そこに、シアトリカルなロックの要素が加わり、時々、”オルトロック・オペラ”のようなワイアードなサウンドに接近する瞬間もある。ヘヴィネスという要素は、ベースラインにも適応され、オーバードライブのかかった唸るようなベースが苛烈なシューゲイズサウンドの向こうから出現した時、異様な迫力を呈する。


本作の序盤では外側に向かって強固なエナジーが放たれるが、他方、「Blew Up The World」では内省的なインディーロックサウンドが展開される。しかし、クイーンズは、それをニッチなサウンドにとどめておかない。それらの土台にボーカルやシンセテクスチャーが追加されると、面白いようにトラックの印象が様変わりし、フローレンス・ウェルチが書くようなダイナミックなポピュラー・ソングに変遷を辿る。これらの一曲の中で、雰囲気が徐々に変化していく点は、バンドの作曲の力量、及び、演奏力の成長と捉えることが出来る。反面、それらの曲の展開の中で、作り込みすぎたがゆえに、”鈍重な音の運び”になってしまっているという難点も挙げられる。これは、レコーディングでバンドが今後乗り越えなければならない課題となろう。

 

しかし、そんな中で、 ピロークイーンズが親しみやすいインディーロックソングを書いている点は注目に値する。「Friend Of Mine」は、boygeniusのインディーロックソングの延長線上にあるサウンドを展開させるが、ボーカリストとしての個性味が曲の印象を様変わりさせている。こぶしのきいたソウルフルなサングについては、従来のピロー・クイーンズにはなかった要素で、これが今後どのように変わっていくのかが楽しみだ。そのなかで、80年代のポピュラー・ソングに依拠したロックサウンドが中盤に立ち現れ、わずかなノスタルジアをもたらす。


続く「The Bar's Closed」ではアイルランドのパブ文化に触れており、閉店間近の真夜中の雰囲気をギターサウンドで表現する。ハードロックなサウンドが目立つ序盤とは対象的に、ピロー・クイーンズのポップセンスや和らいだインディーロックソングが中盤の聞き所。ボーカルの精細なニュアンスは、ナイーブさ、一般的に言われる繊細さという長所に変わり、これらがこの曲にフィル・ライノットの時代から受け継がれるアイルランド的な哀愁と切なさという叙情的な側面をもたらす。これらのエモーショナルな感覚とヒューマニティは、機械的な文化に対するバンドのさりげない反駁ともいえ、ぜひこれからも誰にもゆずってもらいたくないものだ。


ピロー・クイーンズがバンドとしてたゆまぬ努力を重ね、少しずつ成長を続けていることは、「Gone」を聴けば明らかである。ここではノイズロックに近いシューゲイズギターを録音で重ねながら、ボーカルはそれとは対象的にモダンなR&Bに重点が置かれる。一見すると相容れないと思われるこれらのコントラストはむしろ、それが対極に位置するため、強烈なインパクトをもたらす。次いでボーカルに関しては、背後のバンドサウンドに埋もれることはない。これはフロントパーソンとしての強固な自負とプライドがこういった勇敢な印象を形作るのである。




アルバムの後半では、シューゲイズサウンドとインディーポップサウンドが交互に収録され、バンドの両極的な性質が表れる。もうひとつ注目すべきは、ピロー・クイーンズがヴィンテージロックのサウンドの影響を受けている点である。これも以前にはなかった要素で、バンドが新たな境地を切り開きつつある。例えば、「So Kind」は、The Doobie Brothersに象徴されるウェストコースト・サウンドを踏襲し、それらをアイルランドらしいインディーロックソングに置き換えている。カッティング・ギターと抽象的なテクスチャーの組み合わせは、考え方によっては米国的なものと英国的なものを組み合わせ、新しいサウンドを生み出す過程が示唆されている。

 

ただ、新鮮なサウンドが提示されているからとはいえ、前作『Leave The Light On』の頃のバンドのシアトリカルなインディーロックソングが完全に鳴りを潜めたわけではない。例えば、旧来のピロー・クイーンズのファンは「Heavy Pour」を聴いた時、ひそかな優越感や達成感すら覚えるかもしれない。クイーンズを応援していたことへの喜びは、この曲の徐々に感情の抑揚を引き上げていくような、深みのあるヴィネットを聴いた瞬間、おそらく最高潮に達するものと思われる。これは間違いなく、新しいアイルランドのロックのスタンダードが生み出された瞬間だ。

 

アルバムの終盤は、セント・ヴィンセントや、フローレンス・ウェルチのようなダイナミックな質感を持つシンセポップソングをバンドアンサンブルの形式で探求する。「Notes On Worth」では、ネオソウルとオルタナティヴロックの融合という、本作の音楽性の核心が示されている。アイルランドのロックシーンで注目すべきは、Fountains D.C、The Murder Capitalだけにとどまらない。Pillow Queensがその一角に名乗りを挙げつつあるということを忘れてはならないだろう。

 

 

 

84/100

 

 

 

Best Track- 「Heavy Pour」

 

 

 

 


 

 

 

 


Episode of ”Name Your Sorrow”: 

 


どのようなバンドにも、自分たちが地平線上の新しい場所にいることに気づく時が来るはずだ。若さゆえの早熟な唸り声は消え、新人であることの無敵さ--ピロークイーンズは近年最も高く評価されている新人バンドのひとつ-は、今や別のものに取って代わられた。他人がどのように思うかという重荷を下ろした恐れのない感覚。これはバンドのサウンドが軟化したとか、彼らの名を知らしめた音楽を否定したという意味ではなく、むしろ、彼らをシリアスさと脆弱性に開かれた別の領域に基軸を置いている。

 

バンドの時間軸は、アイルランドの大きな社会的・文化的変化と並行しており、クィアネスとアイルランドの国家的なアイデンティティは常に彼らの楽曲の背景を形成してきた。要するに、彼らのようなバンドはアイルランドにはこれまでいなかったのだ。



2016年の結成後、バンドは一連のシングルをリリースし、技術を磨き、ファースト・アルバム『In Waiting』(2020年)に向けて取り組んだ。その過程で、イギリスとアメリカのプレスから称賛を受け、多くのライブがソールドアウトし、ジェームス・コーデンのアメリカのテレビ番組にも出演した。

 

カナダのロイヤル・マウンテン・レコードと契約した後、彼らは2022年にフォローアップ・アルバム『Leave the Light On』をリリースし、テキサス/オースティンのSXSWでの公演やグラスゴーでのフィービー・ブリジャーズのサポートなど、イギリス、アメリカ、ヨーロッパを幅広くツアーした。



3年間で3枚のフルアルバムを制作したことは、真剣な仕事ぶりを示しているが、『Name Your Sorrow』(2024年)では、彼らは厳格なスケジュールにとことんこだわった。


キャシー・マクギネスの説明によると、彼らは毎日9時から5時まで、窓のないダブリンの部屋で、ただ演奏したり、楽器を交換したり、実験を繰り返していたという。そこから、彼らはクレア州の田舎の隠れ家に移り住み、さらにアルバムの制作に没頭した。


「私たちは、ただ楽器を手に取るという、言葉を使わない波長のようなものに乗った。それは本能的なもので、私たちがこれまでに経験したことのない共同作業だった」



サウンドとトーンが明らかに変化したのは、boygenius、Lucy Dacus、Illuminati Hottiesをプロデュースしたナッシュビルのコリン・パストーレという新しいプロデューサーと仕事をした結果だろう。

 

バンドはニューリーにあるアナログ・カタログ・スタジオに3週間滞在し、シーンと人員の変化がレコードに影響を与えていることに気づいた。以前は、レコーディングする前に曲がどう聴こえるかを正確に把握していた。

 

「コリンの時は、録音して聴き返して "思っていたのと違う "と思ったけど、その方が良かった」とレイチェル・ライアンズは認めた。パストーレが来る前、そして9時5時のプロセスと隠れ家のおかげで、バンドがスタジオに着く頃、曲は完全に練り上げられ、レコーディングの準備が整っていた。

1日がかりのセッションの間、彼らは長いレコーディングを曲に分解し、パーツを組み立て直すという、一種のフランケンシュタインのような作業を行っていた。そして、この怪物性-心の痛み、喪失と痛みの肉体性-は、特にアルバムのサウンドにおいて理にかなっている。パメラ曰く、「最初は静かに始めて、後からラウドさが出てきた」そうで、より内省的な雰囲気を持つ「Blew Up the World」や「Notes on Worth」、荒々しいギターの「Gone」や「One Night」などに顕著に表れている。



新たな実験、心に響く歌詞、静寂とラウドを行き来するサウンドが組み合わさった結果、一種のカタルシスがもたられる。破片の中から希望のかけらを探し出す。これまでバンドは、新曲をライブで試聴し、観客に聴かせ、観客の反応を見て作り直してきた。今回は、すでに曲が完全に出来上がっていると感じられるため、そのようなことはしていない。アイルランドのバンドはまた、曲が「ピロークイーンズの曲」に聴こえるかどうかを疑うプロセスを学び直さなければならなかった。前2作とのリンクは確かにあるが、『Name Your Sorrow』は別の方向への勝利の一歩のように感じられる。



「このアルバムは、自分たちの能力をより確かなものにしたものだと思う。曲にも自分たちにも、ただ忠実でありたかった」とレイチェルは説明する。ヴァンパイア・ウィークエンド、バーバラ・ストライサンド、フランク・オーシャン、ラナ・デル・レイなどからの音楽的な影響を明かしている。

 


 4月22日のアースデイに合わせて、サーストン・ムーア(Thurston Moore)はニューシングル 「Rewilding」をリリースした。アース・デイとは環境保護の支援への支持を示すという意味があるのだとか。

 

このニューシングルは、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのデブ・グーゲがベース、ジェイムズ・セドワーズがギター/ピアノ/オルガン、ウォブリー(別名ジョン・ライデッカー)がシンセ/テクスチャー、それから、ジェム・ドールトンがポリリズムのドラムを担当している。


この新曲は、サーストンが『Washing Machine/A Thousand Leaves』時代のソニック・ユースのために書いたようなサウンド、素晴らしい内容となっている。以下から音源をチェックしてほしい。


サーストン・ムーアの次のアルバム『Samurai Walkman: Flow Critical Lucidity』の詳細は、リリース日やアルバムに参加するスペシャルゲストを含め、数週間以内に明らかになる予定だという。

 

 「Rewilding」

 


ドレイクとケンドリック・ラマーが先日、誰がビック3なのかという不毛な闘争を繰り広げたばかり。すでにラップを通じての場外乱闘に近い様相を呈してきている気がするが、今回、この確執に、カニエ・ウェストとして知られていた”Ye”が飛び込むのは時間の問題だったのである。


Yeezyは、週末、フューチャーとメトロ・ブーミンのNo.1ヒット「Like That」のリミックスを非公式にリリースし、ドレイクに狙いを定めた。ウェストはアフィリエイトのジャスティン・ラボイのポッドキャスト「The Download」に出演している。そのクリップが今月22日(月)に公開された。その中で、ヘイトスピーチで批判にさらされているシカゴのモーグルは、ドレイクがラップに照準を合わせている中、スタジオに立つことに「活気」を感じた理由を説明した。


「フューチャーから電話がかかってきて、スタジオに行ってレコーディングした。コードを追加するクリエイティブなプロセスを経て、ロンドンにいるフーリガンズを呼んでジョイントした」とウェスト。「ドレイクがいなくなったことで、みんなとてもとても元気になっていたよ」


Yeはユニバーサル・ミュージック・グループのCEOであるLucian Grainge(ルシアン・グレンジ)と、ドレイクが2022年に画期的な "レブロン・サイズ "の契約でUMGと再契約した際の巨額契約の話を持ち出した。「ルシアンはどこにいるんだ?ご主人様に仕えるんだ、N-A/ご主人様のために小袋を獲ったんだろ?/一生ものの契約、N-Aはかわいそうだぜ/お前たちは、視界から消えたし、心からも消えた/ドレイクのセリフも思いつかない」とラップしている。


LaBoyのインタビューでは、カニエ・ウェストはルシアン・グレンジをドレイクの "Rich Baby Daddy "と呼んでいる。直訳すると、お金持ちのお付きという、ちょっと揶揄的な意味がある。


「"リッチ・ベイビー・ダディ "って言うのは、ドレイクにルシアンやユニバーサルっていうリッチ・ベイビー・ダディがいるみたいなものさ。"パパが手に入れた。パパがスピンをコントロールしてる。パパがDSPを手に入れた。ドレイクにはルシアンという金持ちのベイビー・ダディがいるわけさ」


ドレイクと "Carnival "ラッパーは長年に渡って確執を続けている。2021年のフリー・ラリー・フーヴァー・ベネフィット・コンサートでの一時的な和解さえも水泡に帰したようだ。「Like That」は、ビルボード・ホット100で3週連続首位を獲得しており、ラップ曲としてはドレイクの「Nice For What」以来のヒット・ソング。カニエの「Like That」のリミックスはストリーミング・サービスにはないが、Yeezyのウェブサイトで購入することができる。


 

Kanye West, Future, Metro Boomin- 「Like That(Remix)」


トム・ヨークが、イタリアの作家ドメニコ・スタルノーネの同名小説をダニエレ・ルケッティ監督が映画化した『Confidenza』のオリジナルスコアを担当した。このサウンドトラックは、今週金曜日(4/26)にXL Recordingsからデジタル配信され、フィジカル・フォーマットは7月12日に発売予定(プレオーダー)。トム・ヨークが映画音楽を手掛けるのは2018年の『サスペリア』以来のことである。


ルケッティの新作映画『コンフィデンツァ』でヨークは、ザ・スマイルの『ウォール・オブ・アイズ』を手がけたプロデューサーのサム・ペッツ=デイヴィス、ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ、そして、ロバート・スティルマンとザ・スマイルのバンドメイトであるトム・スキナーを含むジャズ・アンサンブルと再びコラボレーションした。コンフィデンツァ』から2曲を聴くことができる。「Prize Giving」と「Knife's Edge」。下記をチェックしよう。


『コンフィデンツァ』の主演はエリオ・ジェルマーノ、フェデリカ・ロゼッリーニ、ヴィットリア・プッチーニ、ピラール・フォリアーティ、イザベッラ・フェラーリ。

 

 

「Prize Giving」

 

 

 「Knife Edge」

 



Thom Yorke 『Confidenza』-Original Score


Tracklist:

 

The Big City

Knife Edge

Letting Down Gently

Secret Clarinet

In The Trees

Prize Giving

Four Ways In Time

Confidenza

Nosebleed Nuptials

Bunch Of Flowers

A Silent Scream

On The Ledge


テイラー・スウィフトの人気はとどまることを知らない。11枚目のスタジオ・アルバム『The Tortured Poets Department』は、19日(金)のリリース後、24時間以内にスポティファイで複数の記録を塗り替えた。


ストリーミング配信大手のスポティファイによると、『The Tortured Poets Department』はスポティファイ史上、1日で最もストリーミングされたアルバムとなった。また、1日で3億ストリーミングを突破した最初のアルバムでもある。


テイラー・スウィフトは現在、『The Tortured Poets Department』、『Midnights』、『1989 (Taylor's Version)』で、スポティファイ史上1日に最もストリーミングされたアルバムのトップ3を占めている。


テイラー・スウィフトはまた、最新作でスポティファイ史上1日で最もストリーミングされたアーティストとなった。彼女はまた、2023年10月27日に「1989(Taylor's Version)」のリリースで達成したこれまでの記録を更新した。


さらに、ポスト・マローンをフィーチャーしたシングル「Fortnight」は、スポティファイで1日に最もストリーミングされた曲となった。


アルバムのリリースに先立ち、『The Tortured Poets Department』は18日、スポティファイ史上最も事前に保存されたアルバムカウントダウンページとなった。


オフィシャル・チャート・カンパニーによると、『The Tortured Poets Department』の収録曲はUKでトップ3入りを果たすという。


ファースト・ルック・チャートによると、スウィフトは『フォートナイト feat.ポスト・マローン』で4枚目のNo.1シングルを獲得しそうだ。ポスト・マローン。また、アルバム・タイトル曲が2位、『ソー・ロング・ロンドン』が3位にランクインし、トップ3入りを果たしている。


チャートのルールでは、主要アーティストのエントリーは3曲まで。チャートのストリーミングデータに基づけば、The Tortured Poets Departmentの楽曲がトップ20を独占する可能性が高い。


イギリスでは、2022年10月にスウィフトの前スタジオ・アルバム『ミッドナイツ』が記録した初週合計204,501枚の大台を追っている。

NEU! デュッセルドルフのクラウドロックの先駆者 音楽のイノベーションの変遷

 


 

1971年に旧西ドイツに登場した"NEU!"は、以降のデュッセルドルフの電子音楽のシーンの先駆者で、音楽に革新性をもたらしたグループである。クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターによって立ち上げられたこの実験音楽グループは、湯浅譲二と武満徹が制作したテープ音楽に近い趣旨がある。マシンビートを元にしたサウンドは、アンビエントからノイズ、ポスト・パンクに至るまで、その後の数十年の音楽を予見していたと言えるかもしれない。

 

 1970年代、CANやKraftwerkと並んで登場したNEU!の周りには厳然としたシーンと呼ばれるものがあった。産業革命の後の時代、彼らは工業都市の環境音を反映させた音楽を構築した。カン、クラフトヴェルク、そしてノイ!によるデュッセルドルフを中心とした音楽運動は、「Kosmische Music」という名で親しまれていた。日本語で訳すと、”宇宙の音楽”である。実はそのルーツは60年代後半にあり、伝統音楽の規則に対する反抗の意味が込められていた。現代音楽の規則に制約されることを嫌った音楽家たちは、あえてそれらのルールを破ることにしたのだ。

 

上記の3つの主要なグループに共通するのは、多数のジャンルをクロスオーバーしていることである。アヴァンギャルド、エレクトロニックはいうに及ばず、実験的なロック、フリージャズ、そしてイギリスで盛んだったプログレッシブ・ロックを吸収し、それらを独自のサウンドとして構築していく。そんななかに登場したNEU!とはどのようなグループだったのか。

 

当時のことについて、クラウスとローターは次のように回想する。「わたしたちは同じようなヴィジョンを持っていた。初期のバンドは1971年後半に結成され、音楽ジャンルの異なる折衷案を融合させたのです」

 

クラフトワークとの意見の相違、音楽的な感性に関する欲求不満の後、バンドは新鮮な気風を感じていた。それは二人のミュージシャンを活性化せることは明確だった。彼らが完全に同意しなかったのはドイツ語で新しいを意味する「ノイ!」だけ。マイケルはバンドに自然な名前をつけることを望んでいたが、一方のクラウスはこの英語ではない新鮮な音の響きに感激していた。

 

結局のところ、彼らは実験音楽活動の一部としてこのプロジェクトを立ち上げたのだから、この「NEU!」という名前は理に叶っていた。

 

 

NEU!のロゴの誕生

 




 ノイ!の誕生に合わせて、バンドのイメージが必要になった。そこで、テキスタイル風のポップなロゴが作りだされ、著作権の特許を得た。


このロゴにはどうやら意味があるらしく、''現代の消費文化に対する抗議''を意味しているという。使い捨てられるものに対する反抗、音楽は消費されるものではないというロゴの考えは、ある意味では工業化や商業化されつつあるデュッセルドルフの70年代にしか登場しえなかった。


ノイ!は社会的な意見と芸術に関する考えを組み合わせることを躊躇しなかった。それでも、クラフトワークのようにノイ!は当時、裕福な経済力を有していたわけではなかったことは着目すべきか。この中で音楽の再利用を意味するサンプリングという考えも出てくるようになった。

 

 

デビューアルバム『NEU!』の制作

 




 

 

 

ミヒャエルは「わたしたちは貧しいミュージシャンだった」とデビュー当時のことを回想する。1971年、デビュー・アルバムを録音するときも、彼らの念頭にあったのは制作費だった。

 

彼らは12月にウィンドローズ・デュモン・タイム・スタジオを四日間予約した。つまりこれ以上の使用代を支払えなかったのだ。当のスタジオを選んだのも安かったからという単純明快な理由。「それは実用的な髭剃りのようなもの。私はそれについて考えると、無謀で震える気がする。しかし、コニー・ブランクの助けを借り、どうにかわたしたちはメッセージを伝えられた」


驚くべきは、4日間という限られた時間で、ノイ!は六曲をレコーディングした。そして音源を8トラックのレコーダーに落とし込む。マイケルはギターとベース、そしてクラウスはドラムと琴を演奏した。

 

「最初は録音の速度が遅かったけれども、その後、前進するポジティヴなエネルギーを見出した。曲は必要な箇所だけむき出しになるまで削ぎ落とされた。あの時、8トラックのレコーダーしかわたしたちは所有していなかったんだ。6曲のうちの5曲、デビュー・アルバムのために録音されたのは長いトラックが中心となった、その中にはHellogalloとNegativelandが含まれていた」

 

「アルバムが録音され、ミックス作業が終わると、 コニー・ブランクは私にきかせるためのテープをくれた。私はそれを誇りに思い、ガールフレンド、家族、友人の前で聞かせてみました。アルバムの効力は見当もつかなかった。私はアルバムを録音できたことが本当に嬉しかった」

  

デビュー・アルバム『NEU!』は1972年のはじめにリリースが予定されていた。発売当初の評論家の意見は二分されていた。一部の先見の明のある批評家は、画期的なアルバムであるとし、ジャンルという概念を超越するものであると評していた。 少なくとも、このアルバムには、アンビエント、エレクトロニカ、エクスペリメンタル、フリージャズ、インダストリアル、ミュージック・コンクレート、ロックの要素が織り交ぜられていることは事実である。当初、ノイ!の音楽はロンドンで評価され、メロディーメイカー誌の評論家がこの音楽を「クラウト・ロック」と命名した。デビュー作『ノイ!』はドイツでは三万枚の売上を記録する。実験音楽としては驚異的な数字である。しかし、ドイツ以外では商業的な成功には見舞われなかった。


ついでクラウスとミヒャエルはドイツ国内でしか評判を呼ばなかったにもかかわらず、2ndアルバムの制作に着手する。 

 

「Hallogallo」

 

 

セカンドアルバム『Neu! 2』

 



 

 


翌年、 二人はデビューアルバムのプロデューサー、コニー・ブランクと連れ立ってスタジオ入りした。


「わたしたちはレコード・レーベルと契約していなかったからクラウスとコニーと私は制作費を節約しようとした。スタジオにいったとき、10日間録音するための経費を支払った」とミヒャエル。

 

「二度目の録音は作業するときに16トラックのレコーダーがあったので、複数の楽器を多重録音することが可能になった。私はギターを弾いて、それが逆再生され、テンポが意図的に早められ、最終的にエフェクトが追加された。それらの音楽的なプロセスはノイ!の実験性を新しいレベルへと引き上げ、音楽の境界を限界まで押し上げ、すべてを越えたように思えた。すべてが上手く行ったように思えたものの、問題が発生した」

 

「それまでにわたしたちは音のレイヤーを追加し、試行錯誤するのにおよそ1週間を必要とした。私は5つのギターを積み重ね、歪みのような効果を与えようとした。しかし、この作業に一週間かかりましたが、結局、アルバムの収録曲の半分しか録音されておらず、これでは終わらないと思ったので、かなりの混乱に陥っていた。それからわたしたちは解決策を用意しようとした」



さらにセカンド・アルバムについて、ミヒャエルは補足している。「つまり、絶望の結果なんです。わたしたちは色々なことを試した。ターンテーブルでシングルを演奏し、クラウスは演奏中にそれを蹴り上げた。その後、わたしたちは、カセットプレイヤーで曲を演奏し、音を遅くしたりスピードアップしたりというように試行錯誤を重ね、そのプロセスの中でマスタリングを行った。デビューアルバムと同じように、『NEU! 2』はスタジオの使用期間の制限に合わせて制作が完了した。おわかりの通り、それはデビューアルバムとはまったく異なるものだった」

 

 

『NEU!2』は当初、1973年に発売予定だった。アルバムのリリース後の批評家の反応はデビューアルバムよりも好意的だった。彼らのトレードマークのサウンドを洗練させたという評価。批評家は、 特に11分に及ぶ電子音楽の叙事詩と評価する声もあった。しかし、同時に物議を醸すアルバムでもあった。全般的にはそれほど評価が高かったとも言いがたい。批評家たちはNEU!のサウンドをギミックと見なし、レコード・バイヤーを騙しすかそうとしていると指摘した。しかし、ノイ!がこのセカンド・アルバムで試みたのは既存のサウンドの解体だった。

 

「わたしたちは既成の音楽を相手取り、それらを一度ばらばらにすることだった。その後、解体したものを再構築していった。一般的な評論家は、このことを理解できなかったか、理解したくなかった」と、ミュージック・コンクレートの技法を重視していたとノイ!は回想しているのである。

 

しかし、革新的な制作法は一般受けせず、このセカンド・アルバムはイギリスどころか、ドイツ国内でも商業的な成功を収められなかった。現在のサンプリングやコラージュのような手法はあまりにも前衛的すぎるため、一般のリスナーには受け入れられなかったというのが実情である。

  

クラウス・ディンガーと彼の兄弟のトーマスはノイの音楽を宣伝できないかと、画策を始める。イギリスに向かい、DJのジョン・ピールとザ・フーのタウンゼントの妻、カレン・タウンゼントに出会った。ピールはノイ!の音楽をオンエアしたものの、やはり一般的な反応は薄かった。 

 

 

「Casetto」

 

クラウスとミヒャエルは、ノイ!が終わったわけではなく、他の興味やプロジェクトを追求するため、しばらく時間を取りたかったと明言した。クラウスの新しいプロジェクトは『ラ・デュッセルドルフ』だった。一方、ミヒャエルはフォルスト・コミューンへの旅に出ることにした。

 

 

 そこで彼は、クラスターのディーター・メビウスとハンス・ヨアヒム・ローデリウスに出会うことになる。ミヒャエルは、クラスターの2枚目のアルバム『Cluster II』に収録されている「Im Süden」を聴いていた。ディーター・メービウスとハンス・ヨアヒム・ローデリウスがノイ!の拡張ラインナップに加わることに興味を持つのか? それからミヒャエルは、ノイ!とクラスターからなるスーパーグループを検討しはじめた。フォルスト・コミューンで、ミヒャエルはディーター・メビウスとハンス・ヨアヒム・ローデリウスとジャムった。最初のジャムは、後にハルモニアの1974年のデビュー・アルバム『Musik von Harmonia』の収録曲『Ohrwurm』となった。最初のジャム・セッションの後、ミヒャエルはフォルスト・コミューンに滞在し、ハルモニアのデビュー・アルバム『ムジーク・フォン・ハルモニア』のレコーディングに備えた。


一方、クラウスとトーマス・ディンガーはロンドンから戻っていた。彼らは贈り物を携えてやってきたのだ。

 

賜物のひとつは、1972年の大半をコニーのエンジニアだったスタジオエンジニアのハンス・ランペ。もうひとりは、クラウスの弟トーマス。クラウスの提案で、彼らはノイ!のラインナップに加わることになり、その準備のため、ラ・デュッセルドルフとして一連のコンサートを行う。


しかし、ミヒャエルはハルモニアの活動で忙しかった。デビューアルバムのレコーディングだけでなく、レコーディング・スタジオを建設し、ミヒャエルは''ノイ!''の将来のプロジェクトに取り組み、後にソロアルバムのレコーディングも行う予定だった。しかし、それはまだ先のこと。その前に、ハルモニアはデビューアルバム『ムジーク・フォン・ハルモニア』の録音を開始した。

 

 

 

Neu! 75



他のプロジェクトの活動も行う中、ノイ!は三作目のアルバム「Neu!'75」の制作に取り掛かる。ミヒャエル・ローターとクラウス・ディンガーは1974年12月にコニー・プランクのスタジオで再結成した。その頃、コニー・スタジオはドイツのグループのためのレコーディング・スタジオだった。彼らは望んでいた。''天才 "が自分たちのアルバムに魔法をかけてくれることを。


ノイ!の2人のメンバーは変わっていた。クラウスはロックに傾倒し、ミヒャエルはアンビエント・ミュージックへの関心を高めていた。 ミヒャエルが説明するように、「2年も離れていると、僕らは別人になっていた。問題を複雑にしたのは、クラウスがドラムキットの後ろから離れたがっていたこと。彼は自分が隠れていると感じていた。それはわかる。でも、それはクラウスがとても上手くやっていた。しかし、彼はギターを弾きながら歌うエンターテイナーになりたかったんだ。彼は自分の代わりに2人の新しいミュージシャンを迎え入れようとした。その中には、クラウスの弟トーマス、コニー・プランクの元エンジニア、ハンス・ランペも含まれていた」


ミヒャエルはこれが問題だと気づいた。「その頃には、クラウスは一緒に仕事をするのが難しくなっていた。そこで妥協して、2つの全く異なる面を持つアルバムを作ることにしたんだ」 サイド1は、古いノイ! のスタイルを展開させ、サイド2では、クラウスはギターを弾きながら歌った。

 

アルバムは1975年1月に完成し、同年末に発売された。ノイ!は、この三作目でアンビエント風の作風を確立させる。もちろん、その中には「Hero」のような後のパンクのヒントとなる作風もあった。

 

 

「Leb' whol」


昨夜、Rock & Roll Hall Of Fame(通称:ロックの殿堂)の2024年の殿堂入りアーティストが発表された。

 

ロックの殿堂の受賞者に選ばれたのは、オジー・オズボーン、デイヴ・マシューズ・バンド、シェール、ア・トライブ・コールド・クエスト、メアリー・J・ブライジ。ピーター・フランプトン、クール&ザ・ギャング、フォーリナー、ジミー・バフェット、MC5、ディオンヌ・ワーウィック、ノーマン・ホイットフィールドも表彰される。


また、アレクシス・コーナー、ジョン・メイオール、ビッグ・ママ・ソーントンが個別部門の”Musical Influence Award”を、エンターテイメント・プロデューサーのスザンヌ・ドゥ・パスが”Ahmet Ertegun Award”を受賞する予定だ。


2024年のロックの殿堂入りの選考は、1,000人を超える国際的なアーティスト、歴史家、音楽業界の著名人による投票によって選ばれた。例年通り、ノミネート条件は、初レコーディングが25歳以上でなければならない。


オズボーンは2006年にブラック・サバスのメンバーとして殿堂入りを果たしており、今回が二度目の受賞となる。シェールは1991年に殿堂入り。バフェットは昨年9月に、MC5の創設者ウェイン・クレイマーは今年2月に他界している。


最終選考に残ったのは、オアシス、マライア・キャリー、セイド、ジェーンズ・アディクション、シネイド・オコナー、レニー・クラヴィッツ、エリック・B&ラキムだった。これらの最終候補者については来年度も受賞資格を有しており、再び投票対象となる可能性は十分に残されている。

 

オアシスのリアム・ギャラガーはロックの殿堂入りに関して興味がないとしている。一方、レニー・クラヴィッツに関しては、貰えるのならもらいたい、というシンプルなスタンスを取っている。 


主要な受賞者であるオジー・オズボーンは、ビルボードの取材に対して、ソロアーティストとしての受賞の喜びを伝えている。オズボーンは、ブラック・サバスを解雇されたことを自嘲的に明かした上で、バンド以降のみずからのソロ活動を誇りに思っていることを再確認している。

 

オズボーンは、80年代、ランディ・ローズ、ザック・ワイルドとの活動を通じて、メタルの重要なアイコンになった。『Brizzard Of Ozz』、『Diary Of A Madman』、『Bark At The Moon』、『No More Tears』は彼の名作の一例にすぎない。また、オズボーンは以前、自身のソロアーティストとしての音楽性に関しては、必ずしもメタルというジャンルだけでは語り尽くせないものがあるとしている。一例では、95年の『Ozzmosis』の収録曲「See You On The Other Side」にはポピュラーミュージックとして、時代を超越した普遍的な響きがある。

 

サバス以降のソロミュージシャンとしての成功について、「自信があったわけではなかったが、ランディー・ローズが2021年に音楽的な卓越性のカテゴリーに選出されたことで、何かつかめるような気がした」とオズボーンは同メディアの取材で明かした。現在、頚椎症でツアーを断念したオズボーンが、授賞式でパフォーマンスを行うかに注目が集まっている。オズボーンは、10月のレセプションでライブを行う可能性について、「まだわからない」とビルボード誌に語った。しかし、もしそれが実現する場合は、「黒い衣装になるだろう」としている。


今年のロックの殿堂入りの式典は、10月19日(日)、オハイオ州クリーブランドのロケット・モーゲージ・フィールドハウスで行われ、Disney+でライブストリーミングされる予定である。

 Pearl Jam  『Dark Matter』

 


 

Label: Republic/ Universal Music

Release: 2024/04/20

 

 

Review    


-シアトルの伝説の華麗なる復活-

 

 

90年代のグランジシーンを牽引した偉大なロックバンド、Pearl Jamの待望の新作アルバム『Dark Matter』のプロディースは、アンドリュー・ワットが手掛けている。ワットは、マイリー・サイラス、ポスト・マローン、そして、オジー・オズボーンの作品に関わった敏腕プロデューサーだ。バンドのギタリストのマイク・マクレディは、新作アルバムに関して、アンドリュー・ワットの貢献が大きかったと明かしている。「この一年、彼と一緒にスタジオにいた時、彼は僕らの尻を蹴り上げ、集中させ、そして矢継ぎ早に曲を演奏させた」とマクレディは語る。

 

「そして、アンドリューは、わたしたちにこんなふうに言った。”君たちはレコードを作るのに時間がかかるだろう? 今すぐこれを仕上げようじゃないか”って」また、マクレディは、この復活作についてパール・ジャムのデビュー当時のエネルギーが存在し、それはほかでもないアンドリューのお陰であると述べている。「このアルバムには最初の2作のアルバムのエネルギーがある。アンドリューは、わたしたちが長年そうしてきたように、ハードでメロディアスで思慮深いプレイができるよう、わたしたちを後押ししてくれた」と、マクレディは述べた上で、次のように補足している。「マット・キャメロンのドラミングに注目してほしい。このアルバムの音楽には、彼がサウンドガーデンでやっていたことと同じ魅力が込められているんだ」


実際、彼らの新作『Dark Matterのサウンドに耳を傾けてみると、『TEN』の時代のパワフルなハードロックやグランジの魅力が蘇っていることに気づく。そして同時に音楽性としてドラマティックな要素が加わり、ハリウッド映画のような大スペクタルのハードロックサウンドが構築されている。アルバムにはロック・ミュージックの普遍的な魅力があり、パール・ジャムはそれを彼らのスタイルで奏でる。バンドの唯一無二の強固なサウンドを組み上げているのだ。

 

アルバムのオープニング「Scared Of Fear」にはドゥームサウンドや映画「インディペンデンス・デイ」を思わせるアンビエント風のイントロに続いて、乾いた質感を持つロックンロールサウンドが繰り広げられる。エディ・ヴェーダーのボーカルにはデビュー当時の勢いがあり、熟練のバンドマンとしてのプライドがある。そして、そこにはサウンドガーデンのクリス・コーネルのような哀愁、フー・ファイターズのデイヴ・グロールを思わせるパワフルさが加わった。まさにアルバムの一曲目でパール・ジャムは”グランジとは何か?”というその核心の概念を示す。確かにこの曲には、現代の世界の社会情勢にまつわるメッセージも含まれているのかもしれないが、パール・ジャムはその現状に対し、勇敢に立ち向かうことを示唆するのである。


以後、バンドはグランジにとどまらず、USハードロックの醍醐味を再訪する。「React, Respond」ではドラムのダイナミクスの強調やクランチなギター、分厚いグルーブを作り出すベースライン、ヴェーダーのワイルドな空気感のあるボーカルと、このバンドの持ち味が遺憾なく発揮されている。そこにあらためてハードロックの持つパワフルなサウンドを蘇らせる。これらのサウンドには一点の曇りもない。いや、それどころか、パールジャムが現在進行系のバンドであることを象徴付ける。もちろん彼らの最大の魅力であるシアトルサウンドを通してだ。


パール・ジャムのロックは必ずしもラウド性だけに焦点が置かれているわけではない。これはクリス・コーネル率いるサウンドガーデンと同様である。続く「Wreckage」では、フォーク/カントリーを中心とする現代のオルタナティヴサウンドに呼応する形で、ロックサウンドを展開させる。この曲には、CSN&Yのような回顧的なフォーク・ミュージックが織り交ぜられている。それのみならず、Guided By Voicesのようなオルタナティヴロックの前夜の80年代後半のサウンドがスタイリッシュに展開される。背後のフォークロックのサウンドに呼応する形で歌われるエディー・ヴェーダーのボーカルには普遍的なロックを伝えようという意図も感じられる。この曲にはオルタネイトな要素もありながら、80年代のスタンダードなハードロックサウンドのニュアンスもある。ロックソングのスタンダードな魅力を堪能することが出来るはずだ。

 

 

 

メタリカのラーズ・ウィリッヒのプレイを思わせるキャメロンのダイナミックなタム回しで始まる「Dark Matter」はパール・ジャムのサウンドがロックにとどまらず、ヘヴィメタルの要素が併存していることを象徴付けている。タイトル曲で、パールジャムは「TEN」の時代のハードロッキングなサウンドを蘇らせ、アンドリュー・ワットのプロデュースの助力を借り、そこにモダンな印象を付け加える。90年代の彼らのジャンプアップするようなギターサウンドはもちろん、それを支えるマット・キャメロンのドラムが絶妙な均衡を取り、シンセサイザーのアレンジを交え、エディ・ヴェーダーは”最もワイルドなロックソングとは何か?”を探求する。ここには90年代のミクスチャーロックの要素もあり、ホワイト・ゾンビを思わせる横乗りのサウンドが貫かれている。ロック・ミュージックのダンサンブルな要素を探求しているといえる。


アルバムの中盤ではこのバンドの最大の魅力ともいえる緩急のあるサウンドが際立っている。例えば、「Won't Tell」ではグランジのジャンルのバラードの要素を再提示し、それをやはりモダンな印象を持つサウンドに組み替えている。この曲には80年代のメタル・バラードの泣きの要素と共鳴するエモーションが含まれている。さらに続く「Upper Hand」では、エレクトロニックの要素を追加し、ヴェーダーの哀愁のあるボーカルを介し、王道のスタジアムロックソングを書いている。あらためてこのバンドが、フー・ファイターズと全くおなじように、スノビズムにかぶれるのではなく、大衆に支持されるロックナンバーを重視してきたことがうかがえる。続く「Wait For Steve」は、90年代のパール・ジャムの作風と盟友であるクリス・コーネルのソングライティング性を継承し、それらを親しみやすいロックソングとして昇華させている。


もうひとつ、『Dark Matter』のリスニングの際に抑えておくべき点を上げるとするなら、ストーナーとグランジの中間にあるオルタネイトなロックを、このアルバムの中でパール・ジャムは探求していることに尽きるだろう。「Running」は、Nivanaが登場する以前のグランジの最盛期のサウンドを思わせる。また、Melvins、Kyuss、Fu Manchu、最初期のQOTSAのようなストーナーのラウド性が含まれている。全体的なサウンドは、クリス・ノヴォセリックのプレイを思わせる分厚さと疾走感のあるベースラインを中心に構成される。それらをグリーン・デイのようなダイナミックなロックサウンドに昇華させているのは本当に見事であり、ほとんど離れ業とも言える。このあたりにもアンドリュー・ワットの敏腕プロデュースの成果が見受けられる。

 

パール・ジャムの90年代のサウンドの魅力はヘヴィーさにあったのは事実だが、もう一つ忘れてはならない点がある。それは「Something Special」に見出される叙情性と、アメリカーナの要素で、パールジャムの場合はメタリカの96年の『Road』のように、バーボンやウイスキーに代表されるアウトサイダーの雰囲気にある。この曲ではあらためてフォークやカントリーの要素を通じて、それらがワイルドな風味を持つアメリカン・ロックとしてアウトプットされる。 

 

特に叙情性という要素に関しては、続く「Got To Give」にも明瞭に感じられる。この曲では、ワイルドな雰囲気を込め、パールジャムらしいハードロックなバラードが展開される。そして、後者のアメリカーナ、フォークバラードという要素はアルバムのクライマックスに登場する。

 

本作のクローズ曲「Setting Sun」が果たしてサウンドガーデンのボーカルであるクリス・コーネルに因んだものなのかは定かではない。しかし、少なくとも、この曲が「Black Hole Sun」のレクイエムの意味を持つ曲であったとしても不思議ではない。パール・ジャムのアルバムに最初に触れたのは多分、2000年代だったと思う。もちろん、それは、Green River,Mother Love Bone,そしてMelvinsと共にあったのだ。あれから長い時間が流れたけれど、今、考えると、このバンドの音楽に親しんでいたことに、ある種の愉悦を覚えている。素晴らしいロックアルバム。

 


92/100

 

Best Track- 「Scared To Fear」


 

Peral Jamの『Dark Matter』は日本国内ではユニバーサル・ミュージックより発売中です。公式ストアはこちらから。



シカゴのエモコアバンド、Into It. Over It. は新作アルバム『Interesting Decisions: Into It. Over It. Songs 』を発表した。2007年にエヴァン・ワイスを中心に結成され、エモ/インディーロックバンドとして日本でも根強い人気を誇る。昨年、バンドは大阪と東京で来日公演を行った。

 

このアンソロジーには、彼らがスプリットや単発リリースで発表した曲に加え、3曲の新曲を収録している。発表と合わせてシングル「Bandelier」を含む三作のシングルがリリースされた。以下からチェックしてみよう。


「'Bandelier'はニューメキシコにあるバンドリエ国立州立公園を訪れたことを歌っている」エヴァン・ワイスは声明の中で述べている。

 

「失われた古代文明の中をハイキングできる。かつて人々の住居だった岩の中を這うことができるんだ。風と水によって削られた空間は、何千年もの間、この土地に住む先住民の住居として生き続けてきた。それは美しい。歩いたり探検したりするいたるところで、気配を感じられた」

 

「私たちはマイホームを購入して間もなく、ここで新しい年を迎えた。私たちがいなくなった後、どんな人たちが私たちの家を通るのだろうと考えていた。私たちのことをどう思うか? 私たちの存在を感じるだろうか? そう思ううちに時間はどんどん過ぎていった」

 

ニューアルバムについて、エヴァン・ワイスは次のように説明している。


「フィギュアの作曲とリリースを終えて、アダムと私はIOIの現在のラインナップ(私、アダム、ジョー・ジョージ、マット・フランク)を固めることができた」

 

「ケミストリー、信頼、創造性は、これまでのどのラインナップでもこれほど自然でポジティブなものはなかったんだ。自分とドラマーだけでなく、グループでクリエイティブなプロセスがどのように機能するかを確かめるには、今がベストなタイミングじゃないかと考えていた。フィギュアの作曲セッションで書き留めたアイデアや断片から曲を作り始めたんだ。1曲が2曲になり、2曲が4曲になった。やがて私たちのプロセスはダイヤル式になっていった」


「アダムと私はIOIとのクリエイティブな関係を定義していたけれど、マットとジョーは、IOIの作曲にはなかったスタイルと視点を音楽にもたらしてくれた。これらのレコーディングで、私たちがどれだけ楽しんでいるか分かってもらえると思う。それぞれのテイストが曲に反映されているのが。そして私たち全員が実験しているのがね。自分らしくアイディアを試す。IIOIの寿命が尽きようとする今の時点で、作家としてミュージシャンとして自分たちをプッシュし続けながら、最も純粋な自分たちでいることほど、クリエイティブで楽しいことはないと思うんだ」

 

 

 

 

『Interesting Decisions: Into It. Over It. Songs』 (2020 – 2023) 



Label:  Storm Chasers LTD/Big Scary Monsters

Release: 2024年5月3日

 

 

Tracklist:


1. A Trip Around The Sun

2. My Goddamn Subconscious

3. The Focus. The Compass. The Contract In Hand.

4. Akron, OH

5. The Car’s Still Running Out Front

6. Home Is The Gift

7. New Addictions

8. The Designated Place At The Designated Time

9. Miyajima, JP

10. The Captain Setting Course From Where We Met

11. Bandelier


 

トロントのマデリン・リンクによるバンドプロジェクト、PACKSは今年1月に『Melt The Honey』をFire Talkからリリースし、昨年の『Crispy Crunchy Nothing』からソングライターとしてもバンドとしても大きな飛躍を遂げた。90年代のインディー・ロック・ムーブメントに敬意を表し、彼女独自のゆるいサウンドを維持し、彼女の音楽に新たな情熱、効率性、独創性を吹き込んだ。Guided By VoicesのようなUSオルタナのバンドから影響を受けているという。


今週、PACKSはAudiotreeライブ・パフォーマンスに出演した。最新作のMeat Puppetsを彷彿とさせるゆるいインディーロックソングは必聴だ。バンドは、今回のAudiotreeの進行役を務めたPsalm Oneとのインタビューで、ツアーでの経験、リンクの音楽的背景、お気に入りのホラー映画について話している。この音源はストリーミングでも配信されている。詳細はこちら

 


 「Paige Machine」ー Audio Tree Live


 



イギリスのノイズ・ロックの先駆者である”The Telescopes”は、Fuzz Club Recordsから2曲収録のニューシングル「Strange Waves」をリリースした。ソニック・ユースのプロトパンクを彷彿とさせる音源だ。主要なストリーミングでは一曲が配信、Bandcamp限定で2曲が配信されている。


『Strange Waves」は、バンドの初期の作品にあった歪んだガレージ・ロック・サウンドへの回帰を示す。一方、フリップサイドの「The Speaking Stones」は、The Telescopesの最も大胆な作品のひとつ。

 

ドローンとノイズを融合させながら14分半弱を記録したこの曲は、今なお妥協を許さないバンドの比類なきサウンドを記録している。何十年も前、スティーヴンの作品に不可欠で形成的な影響を与えたのは、スーサイドと13th Floor Elevatorsとの出会いで、ニューシングルが示すように、それらの不気味なロックンロール性は、今日でも彼の音楽に遍在するエナジーでもある。

 

ギタリスト/ボーカリストのスティーブン・ロウリーという比類なき原動力を中心に、ザ・テレスコープスは1988年に最初のリリース(ループとのスプリット・フレキシー盤「Forever Close Your Eyes」)を出して以来、たえず進化を続けている。

 

ローリーのアイデアを補完するミュージシャンの顔ぶれは常に変化し続けており、ザ・テレスコープスは立ち止まる暇も休む暇もない。バンドは今年2月に同レーベルからフルレングス『The Growing Eyes Become Strings』をリリースし、センセーショナルなインパクトを与えている。

 



 

 

ロンドンを拠点に活動する シンガーソングライター、マルチインストゥルメンタリスト、プロデューサー、Alfie Templeman(アルフィー・テンプルマン)が、6月にリリースを控える最新アルバム『Radiosoul』より3曲目となる先行シングル「Hello Lonely」をリリースした。先行公開された「Eyes Wide Shut」「Radiosoul」に続く三作目のシングル。MVと配信リンクを下記よりチェックしてみよう。

 

ーーこの曲は、コロナ禍、そしてコロナが明けてからもみんなが抱えたあの混乱の様子を捉えていると思います。


みんなが『これからどうなるの?』と考えた時期です。いつも社交性の面で少し苦手と感じていて、時々SNSやツアーで苦労することがあります。1年に100回もステージに上がり、さまざまな人と会話を続けることがエネルギーを必要とするからです。仕事と家庭の生活がまったく異なる場合、静寂はかなり耳障りで非常に強烈に感じられます。「ハロー・ロンリー」は、それらの耳障りで大きな”静寂の瞬間”を乗り越え、自分の正気を確認することについて表現した曲です。  ーー Alfie Templeman


 

NMEやBBC Radioなど、楽曲をリリースするたび、さまざまなメディアから称賛を集めるアルフィー・テンプルマン。今回の楽曲は仕事とプライベートを両立することの難しさをテーマに、自身が抱える苦悩や葛藤をストレートかつ独特な視点で歌っている。



しかしサウンド面は内省的な内容と相反して、アルフィーの楽曲の中でも一際目立つダンサブルな1曲に。これまでにリリースした2曲「Eyes Wide Shut」、「Radiosoul」とのサウンドの一貫性を保ちつつも、苦悩や葛藤を吹き飛ばしてしまうほどの勢いや疾走感を感じさせるトラックに仕上がった。


プリンスからミネアポリス・サウンドを、トーキング・ヘッズからはポスト・パンクの精神を、そしてテーム・インパラが持つサイケデリック性とスティーヴ・レイシーに代表されるオルタナティブR&Bサウンドを、アルフィーがもつ奇跡的なバランス感覚で混ぜ合わせ、他にはない正真正銘の”アルフィー・サウンド”を確立。



6月のアルバムリリースに向かって、リリースする度に音楽家としてのさまざまな表情を見せるアルフィーの進化の過程を見逃すな!



「Hello Lonely」-Best New Tracks

 

 

 

Alfie Templeman(アルフィー・テンプルマン) 「Hello Lonely (ハロー・ロンリー)」 ーNew Single



レーベル:ASTERI ENTERTAINMENT

形態:ストリーミング&ダウンロード

配信リンク: https://asteri.lnk.to/ATHelloLonely

 

 

Alfie Templeman:

 

イングランド、ベッドフォードシャー出身のシンガーソングライター / マルチインストゥルメンタリスト / プロデューサー。 8歳の時にRushのライブに魅せられ、曲づくりを始める。ドラム、ギター、キーボード、マンドリン、ハーモニカなど10個以上の楽器を独学で習得。2018年にEP『Like an Animal』でデビュー。

 

2022年には1st フルアルバム『Mellow Moon』をリリース。全世界でのストリーミング数は現在累計3億回を超える。UKのインディーポップ・シーンの新星としてBBCラジオ、サンデー・タイムズ、The ObserverやVOGUE UK(ヴォーグ イギリス版)などからも注目を集める。

 Weekly Music Feature ‐ Demian Dorelli 

 


ロンドン出身で、ケンブリッジ大学出身のDemian Dorelliは、音楽と足並みを揃えて人生を歩んできた。


主にクラシックで音楽の素地を形成したデミアン・ドレリは、その後もジャズ・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックへのアプローチを止めることなく、その制作経験を豊富にしていった。


彼はこれまでに、パシフィコ(2019年のアルバム『Bastasse il Cielo』から引用された曲「Canzone Fragile」)において、アラン・クラーク(Dire Straits)、シモーネ・パチェ(Blonde Redhead)といった名だたるアーティストとコラボレーションしている。


デミアン・ドレリはまた、ポンデローザ・ミュージック&アートから『Nick Drake's PINK MOON, a Journey on Piano』を発表している。このアルバムは、ピーター・ガブリエルのリアルワールド・スタジオでティム・オリバーと共にレコーディングされ、ドレリがピアノを弾きながら故ニック・ドレイクに敬意を表し、過去と現在の間で彼との対話を行う11曲で構成されている。


前作『My Window』はドレリのサイン入り2枚目のアルバムで、ポンデローザ・ミュージック・レコードからリリースされた。彼の長年の友人であるアルベルト・ファブリス(ルドヴィコ・エイナウディの長年の音楽協力者・プロデューサー、ドレッリの「ニックス・ドレイク ピンクムーン」というデビュー作品の時にすでにコントロール・ルームにいた)がプロデュースを手掛けた。


イタリアのレーベルのパンデローサは、このアルバムについて、「イタリア人ファッション写真家とイギリス人バレエダンサーの間に生まれたもう一人のドレッリ(わが国のクルーナー、ジョニーの人気と肩を並べることを望んでいる)は、非常に高いオリジナリティを持つピアノソロアルバムを作るという難題に成功している」と説明する。


デミアン・ドレリのピアノ音楽は、現在のポスト・クラシカルシーンの音楽とも共通点があるが、ピアノの演奏や作品から醸し出される気品については、Ludovico Einaudi、Max Richter,Hans Gunter Otte、John Adamsの作品を彷彿とさせる。デミアン・ドレリの紡ぎ出す旋律は、軽やかさと清々しさが混在する。まるで未知の扉を開き、開放的な世界へリスナーを導くかのようだ。


現代音楽のミニマリズムのコンポーザーとしての表情を持ちながらも、その範疇に収まらないのびのびとした創造性は、軽やかなタッチのピアノの演奏と、みずみずしい旋律の凛とした連なり、そして、それを支える低音部の迫力を通じて、聞き手にわかりやすい形で伝わってくる。


本日(4月19日)、ピアノ(デミアン・ドレリ)、チェロ(キャロライン・デール)、フレンチ・ホルン(エリサ・ジョヴァングランディ)のための長編作品を収録した、これまでの作風とは異なる3枚目のレコードが発売される。「A Romance of Many Dimensions(多次元のロマンス)」は、エドウィン・A・アボットによる1884年の小説「Flatland(平地)」の要素を刺激として取り入れつつ、タペストリー空間を自在に旅する7部のパートのエモーショナルな作品に仕上がっている。

 


 

『A Romance of So Many Dimensions』‐ Ponderosa Music Recordings Sri


 

 

英国のピアニスト/作曲家であるデミアン・ドレリは『My Window』において内的な世界と外的な世界をピアノの流麗な演奏を介し表現した。前作はモダンクラシックやミニマルミュージックの系譜に属する作品であったが、三作目のアルバムは必ずしも反復的なエクリチュールにとどまらず、モチーフを変奏させながら、発展性のあるコンポジションの技法が取り入れられている。

 

今回、ロンドンを拠点に活動するデミアン・ドレリは、デイヴィッド・ギルモア、ピーター・ガブリエル、オアシス、U2の作品にも参加している英国人チェリスト、キャロライン・デール、そして、イタリア人のフレンチ・ホルン演奏家で、カイロ・シンフォニー・オーケストラとの共演を行っているエリサ・ジョヴァングランディが参加し、壮大な世界観を持つ室内楽を提供する。

 

 

 

本作はデミアン・ドレリのピアノ・ソロを中心に組み上げられる。その中に、対旋律やフーガのような意味合いを持つフレンチ・ホルン、チェロのレガート、スタッカート、トレモロが多角的に導入される。表向きには、上記の二つのオーケストラ楽器が紹介されているのみであるが、終盤の収録曲には、ウッドベース(コントラバス)の演奏が入り、ジャズに近いニュアンスをもたらす場合もある。もちろん、ドレリの場合は、クラシックにとどまらず、ジャズやエレクトロニックといった幅広い音楽性に触発を受けていることからもわかるとおり、音楽の多彩性、及び、引き出しの多さが三作目のアルバムの重要なポイントを形成している。そして、このアルバムでは、涼やかな印象を持つピアノのモチーフを元に、アルペジオに近似する速いジャズ風のパッセージのバリエーションを通じて、ルドヴィコ・エイナウディを彷彿とさせるシネマティックな趣向を持つクラシックミュージックを作り上げる。考え方によっては、デミアン・ドレリのピアノソロが建築の礎石を築き、その次に二人の演奏家が建築に装飾を施していく。

 

前作に比べると、明らかに何かが変わったことがわかる。オープニングを飾る「Houses」はイントロの早めのピアノのパッセージの後、ドレリは華麗なモチーフの変奏を繰り返しながら、楽曲をスムーズに展開させていく。

 

ドレリのピアノは、安らかな気風を設けて、癒やしの質感を持つ緻密な楽節を作り上げる。楽曲の構成としては、米国の現代音楽家、アダムズの系譜にあるミニマリズムであるが、必ずしもドレリの場合は、”反復”という作曲技法が最重視されるわけではない。古典音楽の著名な作曲家がそうだったように、細かな変奏を繰り返しながら、休符をはさんで''間''を設け、チェリストの感覚的なレガートの演奏を織り交ぜ、贅沢な音の時の流れをリスナーに提供しようと試みる。これは、ジョン・アダムズが自分自身の音楽性や作風について、「ミニマリズムに飽きたミニマリスト」と表現したように、この音楽の次なるステップが示されているといえるかもしれない。 

 

 

 「Houses」

 

 

 

例えば、マックス・リヒター、ルドヴィコ・エイナウディ、オーラヴル・アルナルズ、アイディス・イーヴェンセン、昨年死去した坂本龍一、(Room 40のローレンス・イングリッシュとコラボレーションしている)小瀬村さんにしても同様であるが、近年の現代音楽家は音楽という表現を内輪向けにするのを良しとせず、クラシック音楽にポピュラリティをもたらそうと考えているらしい。クラシックをコンサートホールだけで演奏される限定的な音楽と捉えず、一般的なポピュラーミュージックの形で開放している。これは例えば、権威的な音楽家から軽薄とみなされる場合もあるにせよ、時代の変遷を考えると、当然の摂理といえ、クラシックに詳しくないリスナーに音の扉を開く意味がある。デミアン・ドレリの音楽についても同様で、彼の音楽はポピュラーやジャズのリスナーに対し、クラシックの扉を開く可能性を秘めているのだ。

 

デミアン・ドレリの音楽には、ドビュッシー以降の色彩的な和音の影響があり、朝の太陽の光のような清々しさがある。音楽に深みを与えているのが、キャロラインのチェロ、そして、エリサのフレンチ・ホルンの情感を生かした巧みな演奏である。特に、二曲目の「Theory Of Three」はマックス・リヒターの楽曲性を思わせ、曲の終わりに、ソロ・ピアノの演奏を止め、チェロとフレンチ・ホルンの演奏をフィーチャーすることで、一瞬の音の閃きを逃すことはない。

 

「Universal Color BB」はマックス・リヒターの系譜に位置する曲で、 ドビュッシーの「La cathédrale engloutie - 沈める寺」の縦構造の和音にジャズの和声法を付加している。これらの重厚かつ色彩的な和音を微妙に変化させながら、安らいだ音楽空間を作りだす。しかし、イントロではミニマリズムに属すると思われた曲風は中盤において、チェロとフレンチホルンの演奏、アラビア音楽のスケールを織り交ぜたジャズピアノのパッセージによって、ストーリー性のある音楽へと変遷を辿ってゆく。


この曲のエキゾチック・ジャズの影響も音楽的な魅力となっているのは明らかだが、特に、ホルンの芳醇な音の響きには目が覚めるような感覚があり、その合間のドレリのピアノは落ち着きと安らぎをもたらし、ルチアーノ・ベリオを思わせる現代音楽の範疇にあるピアノのパッセージ、フレドリック・ショパンやフランツ・リストのような音階の駆け上がりを通じて、現代音楽とロマン派の作風の中間に位置するアンビバレントな領域に差し掛かる。曲の最後では、Ketil Bjornstadが最高傑作『River』で表現したような音の流れーーウェイブを表現する。ここでは、音楽の深層にある異なる領域が立ち上ってくる神秘的な瞬間を捉えられる。

 

 

「Universal Color BB」

 

 

 

続く「Stranger from Spaceland」を聴いて、フランツ・リストの『Anees de pelerinage: Premiere anee: Suisse‐ 巡礼の年 スイス』に収録されている「Au Lac de Wallenstadt‐ ワレンシュタットの湖で」を思い浮かべたとしても不思議ではない。ただ、デミアン・ドレリの場合は、それを簡素化し、マックス・リヒターの系譜にあるミニマリズム構造に置き換える。ただ、単なる和音構造のミニマリズムで終わらない点にデミアンの音楽の魅力がある。ジャズピアノの即興的な遊びの要素を取り入れ、構成に水のような流れをもたらし、映画音楽のサントラに象徴される視覚性に富む音楽的な効果を促す。途中、やや激したパッセージに向かう瞬間もあるが、クライマックスでは、ジャズの和声法を交え、基本的なカデンツァを用い、落ち着いた終止形を作り上げる。 

 

「A Vision」はミニマリズムの要素をベースに、ジャズのライブセッションの醍醐味を付け加えている。短いパッセージを元にして、フレンチホルンが前面に登場したり、チェロが現れたりと、現代的なロンドンのロックに近い新しいミニマルミュージックの形を緻密に作りあげていく。反復的な構造を持ちながら、細部にわたって精妙な工芸品のように作り込まれているため、じっと聞き入らせる何かがある。これは例えば、Gondwanaのレーベルオーナーであるマシュー・ハルソールのモダン・ジャズに近い雰囲気がある。上記のジャズとクラシックとポピュラーの融合性は、古典音楽に近寄りがたさを感じるリスナーにとって最上の入り口となりえる。

 

 

 

その他にもこのアルバムではタイトルに象徴されるように多次元的な音楽とロマンスの気風が込められている。「The King’s Eyes」は現代的な葬送曲/レクイエムのような意義を持ち、例えば英国のエリザベス女王の葬送に見受けられる由緒ある葬送のための音楽と仮定づけたとしてもそれほど違和感はない。また、この曲に英国の古典文学の主題が最もわかりやすく反映されているとも考えられる。エリサ・ジョヴァングランディによるフレンチホルンの演奏は、Kid Downesがシンセで古楽のオルガンの音響性を追求したのと同じく、音楽本来の崇高な音響性をどこかに留めている。特に、フレンチホルンの神妙なソロの後に繰り広げられるドレリのピアノとデールのチェロは、さながら二つで一つの楽器の音響性を作るかのように合致している。これらの複数の方向からの音のハーモニクスは、音楽そのものが持つ奥深い領域に繋がっている。

 

前作では簡素なミニマリストのピアノ演奏家としての性質が押し出されていたが、三作目のアルバムは映画音楽さながらにドラマティックな雰囲気のある音楽が繰り広げられる。とくにクローズ「Thoughtland」は神秘主義的な音楽であり、モダンクラシックをジャズやエレクトロニックという複数のジャンルへ開放させる。イントロの和風のピアノのアルペジオの立ち上がりから、ベートーヴェンの後期のピアノソナタ、モダンジャズによく見受けられる単旋律のユニゾンによる強調、そして、ジャズの即興演奏に触発されたアルペジオ……、どこを見ても、どれをとっても''一級品''というよりほかない。その上、本曲は、ミニマリズムの最大の弊害である音楽の発展性を停滞させることはほぼなく、音階の運びが驚くほど伸びやかで、開放的で、創造性を維持している。ソロピアノの緻密な音階の連続は、”次にどの音がやってくるか”を明瞭に予期しているかのように、スムーズに次の楽節に移行してゆく。音楽そのものもまた、平面的になることはほとんどなく、次の楽節に移行する際に、多次元的な構造性を作り上げている。


クローズ「Thoughtland」では、古楽やイタリアン・バロックに加え、ドイツ/オーストリアの古典派やロマン派、以降のフォーレからラヴェル、プーランク、メシアンまで続くフランスの近代和声、作曲家が親しむジャズ、ポピュラー、エレクトロニックという多数のエクリチュールを用い、開放感のある音楽に昇華させる。


デミアンの手腕は真に見事である。もちろん、その中には、今回の録音に参加した、二人の傑出したコラボレーター、キャロライン・デール、それから、エリサ・ジョヴァングランディの多大なる貢献が含まれていることは言うまでもない。特に、抽象的なピアノの音像とジャズのパッセージ、フレンチホルンが生み出すハーモニーの美しさは、現代のモダンクラシックの最高峰に位置づけられる。アルバムのクライマックスで、音楽が物質的な場所を離れ、別次元に切り替わる瞬間がハイライトとなる。"モダンクラシックのニュースタンダード"の登場の予感。

 

 

 

 

100/100(Masterpiece)

 


Demian Dorelli(デミアン・ドレリ)の『Romance of The So Many Dimensions(ロマンス・オブ・ザ・ソーメニー・デメンションズ)』はPonderosa Music Recordingsから本日発売。楽曲のストリーミング/ご視聴、海外のヴァイナル盤の購入はこちらより

 


Best Track-「Thoughtland」

 


ロンドンの押しも押されぬポスト・パンクの重鎮、IDLESは今年初めに5枚目のアルバム「TANGK」をリリースして以来、世界ツアーしたりと、多忙な日々を送っている。今回、バンドはアルバム・カット「POP POP POP」のヴィジュアライザーを公開した。


この曲についてヴォーカルのジョー・タルボットは、「子供を持つことの素晴らしさと、子供を持つことがどれだけ幸運なことかを理解することを歌った曲だ。子供を持つということは、親と子供を失うというサイクルを意味する」と説明している。


「失ったものがあるからこそ、親であることの背後にある感謝の気持ちや重みがとても大きい。おかげでより良い親になれたとか、より絆が深まったとまでは言わない。でも、私にとっては、失ったもののおかげで、以前よりもつながりが深まったと思う。彼女の喜びを見ることで、私は喜びの感覚を学んだ。それは素晴らしいことだと思う。そして力強い。とても感謝している」


ジョー・タルボットがヘッドウェアを身につけ、ワイルドな風景を横断する「POP POP POP」のビデオは以下よりチェック。ニューアルバム「TANGK」のレビューはこちらからお読み下さい。



「POP POP POP」