まずは1か月無料で体験する

【入門編】クラシック音楽の基礎とおすすめ楽曲

よく耳にする「クラシック音楽」とは、そもそもどういうジャンルを指すのでしょうか。なんとなくのイメージはあるけれど、実はよくわからないという方も多いかもしれません。クラシック音楽を聴くと作業効率が上がり、ストレス状態からの回復を促せるという研究結果も出ています。忙しい日々を過ごす人にとって、嬉しい効果もありそうですね。この記事では、クラシック音楽に興味がある方にぜひ知っていただきたい基礎知識や歴史、入門編にふさわしい有名な作曲家、初心者の方にもおすすめの名曲をわかりやすくご紹介します。

クラシック名作曲家~バロック音楽から古典派~

「水上の音楽」~ 序曲(ヘンデル) / Radek Baborak(Conductor), Czech National Symphony Orchestra

「クラシック音楽」は、15世紀~19世紀にかけてヨーロッパ中心に発展した芸術音楽を指すのが一般的。ここでは西洋音楽に最も影響力のあった「バロック期」以降の作曲家や楽曲をご紹介します。まずはバロック期に活躍して今も人気のある作曲家のひとり、ジョージ・フレデリク・ヘンデルです。もともと彼はドイツの宮廷楽長を務めていました。この「水上の音楽」は今から約300年前に、ロンドンのテムズ川で英国王のために野外演奏されたそうです。この国王がヘンデルの元上司にあたるハノーヴァー候で、ヘンデルは再会の気まずさを曲のプレゼントに変えたという逸話もありますが、諸説あるようです。華やかで瑞々しい管弦楽器の音色をぜひお聴きください。


https://s.awa.fm/track/bd24eacf9c9a9c8f6d35/

G線上のアリア(J.S.バッハ)/ シュトゥットガルト室内管弦楽団 ベルンハルト・ギュラー(指揮)

ヘンデルと同年、1685年に生まれたのがドイツのヨハン・セバスチャン・バッハです。なんと彼は200年で50人以上の音楽家を出した家系の生まれ。鍵盤楽器の手ほどきをしたのは一番上の兄です。18歳で教会のオルガン奏者に就任してからドイツ各地に移り住み、宮廷楽師長などの職に就きながら演奏・作曲・指導に励みました。この「G線上のアリア」は、バッハが作曲した「管弦楽組曲第3番」のなかの「アリア」を編曲したもの。ヴァイオリンの4本の弦のうち、最低音のG線のだけで演奏できるため「G線上のアリア」と呼ばれています。「副交感神経を刺激する音域」の曲として紹介されることもあり、リラックス効果が期待できそうです。


https://s.awa.fm/track/17ebbb5ee5024eb71703/

ハイドン:交響曲第44番 ホ短調 「悲しみ」 Hob.I: 44 - I. Allegro con brio / カペラ・イストロポリターナ/バリー・ワーズワース(指揮)

古典派時代に活躍した1人がフランツ・ヨセフ・ハイドンです。「交響曲の父」と呼ばれるほど交響曲をつくり、その期間は40年にも及びました。ちなみに交響曲とは、管楽器、弦楽器、打楽器の編成による楽団、つまりオーケストラによって演奏される楽曲のことです。完結した個々の曲を1楽章という単位で呼びますが、基本的に交響曲は4楽章で構成されています。このハイドンの「悲しみ」にはミステリードラマにでも登場しそうな切迫感のある始まりが印象的です。


https://s.awa.fm/track/0d42e8946fa105691d13/

モーツァルト:「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」ト長調K.525" / のだめカンタービレ

5歳から作曲をはじめ、神童と名をはせたモーツァルト。彼もハイドンと同じウィーン古典派の作曲家です。この「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は覚えやすい旋律が特徴的で、聴くとぱっと思い出す方も多いはず。はつらつとした第1楽章は、気分を明るくしてくれます。あらゆるジャンルで600曲以上を残しているモーツァルトの作品の中でも、代名詞といえる作品です。


https://s.awa.fm/track/cc34a81bf99146a98c12/

シューベルト:アヴェ・マリア D.839 / 田中彩子

「世界三大アヴェ・マリア」のひとつ、シューベルトの「アヴェ・マリア」です。歌詞はスコットランドの詩人ウォルター・スコットの『湖上の美人(Lady of the Lake)』からとられていて、王から追われる身の女性エレンが聖母マリアに助けを求める祈りの言葉が歌われています。フランツ・シューベルトはロマン派と呼ばれますが、あまり華やかな演奏活動をしない作曲家だったようです。31歳という若さで亡くなりましたが、600曲もの歌曲を残しています。


https://s.awa.fm/track/db84737b5a06e09a0937/

クラシック名作曲家~ロマン派と印象派~

英雄ポロネーズ(ショパン) / 辻井伸行

19世紀になると、それまでヨーロッパを支配していた理性を重んじる態度への反動として、人間に本来自然に備わっている感情を重視しようとする動きが出てきました。それを表現したのがロマン主義です。ピアノ曲で有名な作曲家というと、まず覚えておきたいのがこのフレデリック・ショパンでしょう。ポーランド生まれのショパンは、パリを拠点に活躍しましたが、ナショナリズムが高まったことを背景として、祖国の舞曲をもとにしたピアノ曲を多く書いています。繊細で美しい音楽を生み出すことに長けていたショパンですが、この英雄ポロネーズは力強く勇ましい1曲です。ポーランドの人々のように踊りだしたくなりますね。


https://s.awa.fm/track/bd24ebcc9d949a8f6d35/

交響曲 第 6番 ロ短調, 作品 74 悲愴: 2. Allegro con grazia / Alexander Lazarev & Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

ショパンの約30年後に生まれたピョートル・イリイチ・チャイコフスキーは、ロシアの作曲家です。19世紀のヨーロッパではさまざまな国が「民族意識」をもち、独立国家の建設を進め始めました。音楽界でもそれまで注目されていなかった国や地域から、オリジナリティあふれる作曲家たちが登場していきます。チャイコフスキーのこの交響曲第6番について、日本の作曲家・武満徹はこの第2楽章について「世にも稀な5拍子のワルツ」と言っています。交響曲後半はエネルギーに満ちた壮大な作品となっていますので、ぜひ続きも聴いてみてください。


https://s.awa.fm/track/ff4a50d0cc720c9ec994/

アラベスク第1番(ドビュッシー) / 清塚信也

クラシックの歴史において、20世紀の名曲を語るのにクロード・アシル・ドビュッシーは欠かせません。彼は当時のフランス美術界でモネやルノアールなどの画家たちが盛んに使っていた新しい技法を、音楽に取り入れました。彼の音楽が印象主義音楽と呼ばれるのはそのため。変化する光と影を感じさせるこの「アラベスク第1番」は、あらゆる音の豊かさを表現しています。演奏は今活躍中のピアニスト・清塚信也さんですが、彼は『さよならドビュッシー』という映画で俳優デビューもしているという不思議な縁も。


https://s.awa.fm/track/96b3cd606ae3694f3644/

R.シュトラウス: 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 - 冒頭 / スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団/ズデニェク・コシュラー(指揮)

「オーケストラで描写できないものはない」と言ったというリヒャルト・シュトラウス。この「ツァラトゥストラはかく語りき」冒頭は映画『2001年宇宙の旅』や日本のテレビコマーシャルでも使用され、その壮大なフレーズはあまりにも有名ですね。「交響詩」とはロマン派時代に流行した形式。管弦楽によって演奏されて、文学的・絵画的な内容を業者する作品を指します。


https://s.awa.fm/track/f9c7e4ef0cb6b3b17556/

ラヴェル:「ボレロ」 / のだめオーケストラ

モーリス・ラヴェルはドビュッシーにつづいて印象主義の技法を用いた作曲家で、スペインのほど近いフランス・バスク地方に生まれました。音楽好きだった父の影響があり、7歳でピアノを始めます。両親の応援もあってパリ音楽院に進み、多くの革新的な芸術家と行動をともにしました。この「ボレロ」はもともとバレエ音楽ですが、バレエと関係なくオーケストラ単体で数多く演奏されています。同じ主題が延々と続きますが、徐々に楽器が増えて音量・厚みが増していきます。なんとも不思議な曲ですが、ぜひ最後の最後まで聴いてみてください。


https://s.awa.fm/track/d9a46fa1b714b36aa983/

初心者でも親しみやすい!おすすめ楽曲

「四季」~春 第1楽章(ヴィヴァルディ) / 延原 武春 指揮、大阪テレマン・アンサンブル

ヴィヴァルディは、オーケストラの伴奏で独奏楽器が主役を演じる「協奏曲」というジャンルを確立した作曲家です。この「四季」は「春」「夏」「秋」「冬」と題した4つの協奏曲からなっています。なかでもこの「春 第1楽章」は音楽の授業で何度も聴いたという方がいるかもしれません。また、2006年の東山紀之さん主演テレビドラマ『喰いタン』のサウンドトラックとしても使われていましたね。春の浮足立つような雰囲気が伝わってきます。クラシック入門としてまずおすすめの名曲です。


https://s.awa.fm/track/95fd4e24eb14e238ed09/

エリーゼのために / Fujiko Hemming

聴いたことがある、あるいはピアノを習ったことのある方なら一度は弾いたであろうこの曲、実はあの交響曲第5番ハ短調「運命」をつくったのと同じ、ベートーヴェンによるものなのです。彼の時代はフランス革命やナポレオンの活躍があり、市民階級が社会的・経済的に力をつけ始めた頃でした。自立した音楽家として精力的に活動していた彼が書いたこの曲は短い作品ですが、愛する女性を想って書いた曲とみられています。


https://s.awa.fm/track/beb322ba45f7e7db2700/

ショパン: ワルツ第6番 変ニ長調 「子犬のワルツ」 Op. 64, No. 1 / イディル・ビレット(ピアノ)

まるで元気な子犬が駆け回るかのようにリズミカルな楽しい1曲です。それもそのはず、この曲は、ショパンの恋人のジョルジュ・サンドから彼女の愛犬が自分のしっぽを追いかけるようにして遊ぶさまを曲にしてみてほしい、と言われてつくったものなのです。軽やかでスピード感のある音楽は、聴く人の気持ちも軽くしてくれそうです。


https://s.awa.fm/track/5154cdd1c98b21e94010/

プッチーニ: 歌劇「トゥーランドット」 - 誰も寝てはならぬ / トマス・ハーパー(テノール)/スロヴァキア放送交響楽団/ミヒャエル・ハラース(指揮)

2006年のトリノオリンピックで、フィギュアスケート選手の荒川静香さんが使用して話題になったこの曲。美しく非情なトゥーランドット姫と、彼女に求婚するタタール王子カラフの愛を描く壮大なオペラです。カラフは「自分の名を夜明けまでに当てたら喜んで死ぬ」と言い、舞台である北京の街には、「この若者の名がわかるまで誰も寝てはならぬ」という命令が出されます。そこで演奏されるのが、この歌曲。美しくも緊迫した情景が浮かんでくるようです。


https://s.awa.fm/track/8acb56192e5ce3318d45/

メンデルスゾーン:結婚行進曲 / 大友直人(指揮)東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

結婚式の象徴ともいえる、華やかなメロディはどなたも聴いたことがあるはず。メンデルスゾーンはドイツのライプツィヒをメインに活動した作曲家で、モーツァルトのように、幼い頃からその才能を発揮しました。17歳のとき、シェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』を音楽で描写しようと思い立ちます。そしてその作曲から16年後、『真夏の夜の夢』を演劇として上演する際のための劇音楽を担当することになったのです。この「結婚行進曲」はその劇音楽に含まれており、彼の自信や希望が満ち溢れているように感じられます。


https://s.awa.fm/track/3274134e816e86d26748/

Get App

初めて利用する方は
無料お試し期間があります