イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

はじめに

(※2023年8月10日更新)

 

ブログ【イマオト】担当のKeiです。音楽チャートアナライザー、そしてプロポーザー(提案者)として、ビルボードジャパンや米ビルボード等の最新音楽チャートを様々な視点から分析し、記載しています。

お問い合わせやご意見、ご依頼などがございましたらブログ右下の問い合わせフォーム、もしくは face.knk @ gmail.com よりお願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いします。

 

(※2022年7月6日夕方の段階で、問い合わせフォームをクリック(タップ)してもエラー表示され、問い合わせをいただくことができませんでした。フォーム提供元に確認するも回答をいただけなかったことから、あらためてフォームを作成しました。ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。)

 

なお、このブログでこれまで貼付したビルボードジャパンのホームページ内記事のリンクが、”Not Found”となり表示できない状況です。原因は不明です。ブログが読みにくい状況となっていることについて、ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません。

 

 

外部メディアへの寄稿、および以前出演していたラジオ番組にて担当した音楽特集について一覧化しました。

 

2020年4月からは米ビルボード、およびビルボードジャパンのソングスチャートを紹介するポッドキャストBillboard Top Hits】も配信しています。

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Billboard Top Hits

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チェックの程、よろしくお願いいたします。

 

 

コメントもいただくことがございます。ありがとうございます。ただし一方では、書き手等に対する無礼なコメントが時折みられます。その際は厳正に対処します。

ILLIT「Magnetic」、日本および世界のチャート施策における絶妙なタイミングについて

最新4月17日公開分ビルボードジャパンソングチャートではCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が12連覇を達成した一方でポイントがダウンしていることについては、一昨日のエントリーで紹介しました。

そして次週、4月24日公開分においては「Bling-Bang-Bang-Born」にILLIT「Magnetic」が迫るものと予想されます。

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TOBEおよびSTARTO ENTERTAINMENTによる2つのチャリティーソング、初週のチャート動向を分析する

今週も大きな地震が発生し、異様な状況が続いています。

特に大きかったのは能登半島地震ですが、エンタテインメント業界において支援の動きがみられます。その一環が、先月から今月にかけて登場したふたつのチャリティーソングです。今回はTOBE、および旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)から発信された2曲におけるチャートアクションを紹介します。

(なおto HEROes「Be on your side」は厳密には"プロジェクトテーマソング"と謳われていますが、寄付という性質上チャリティーソングという位置付けで紹介します。)

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【ビルボードジャパン最新動向】BBBB12連覇も、この1ヶ月におけるポイント等の下落幅が気になる

最新4月17日公開分(集計期間:4月8~14日)のビルボードジャパンソングチャートでは、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が12連覇を達成しています。

一方で「Bling-Bang-Bang-Born」は、ポイントの下落幅が小さくはない状況です。

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ILLIT「Magnetic」、デビューから最短で米ソングチャート100位以内に登場したことが如何に凄いのか

最新4月20日付米ビルボードソングチャートではHYBE所属のILLITによるデビューシングル、「Magnetic」が91位に初登場を果たしました。下記ポスト内の画像をタップ/クリックし登場する記事によれば、「Magnetic」はストリーミングが前週比1%アップの620万、ラジオが同43%アップの428,000を記録しています(ダウンロードについては記事未掲載)。

今回の記録が如何に凄いかは、Kstyleのニュースから解ります。

これでILLITは、デビュー曲がビルボードのメインソングチャートにランクインした最初のK-POPグループになった。3月25日にデビューした彼女たちは、ビルボード「HOT100」に最も早くランクインしたK-POPアーティストになった。

ILLIT「Magnetic」は前週4月13日付米ビルボードバブリングアンダーホット100(→こちら)で2位に初登場。このチャートはソングチャート100位までに入らなかった作品を測るものであり、「Magnetic」は実質102位となっていました。3月25日月曜にリリースされたミニアルバム『Super Real Me』収録曲は初の1週間フル加算にてこの位置につけ、翌週には総合100位以内へと躍り出ました。

さらに凄いのは、このILLIT「Magnetic」が、ここ数週におけるソングチャート大挙初登場の中で耐え続けてきたことです。

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4月8日からの1週間が日本の音楽業界において重要な週だったと感じずにはいられない件について

4月8日月曜から14日日曜にかけての1週間が日本の音楽業界、もっといえば広くエンタテインメント業界において重要な7日間だったと感じずにはいられません。その作品自体も重要ながら、それぞれの施策等も興味深いのです。

 

 

4月8日月曜、米津玄師さんがニューシングル「さよーならまたいつか!」を配信リリース。既にサブスクでも好調、且つ米津さんはダウンロードも強い歌手であり、4月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートで高位置に初登場を果たすことが見込まれます。

注目は、ミュージックビデオが4月12日金曜8時15分に公開されたということ。米津玄師さんは以前も朝の時間帯にプレミア公開したことがあり、朝の公開は半ば米津さんの専売特許に成りつつあります。職場や教室でその公開の瞬間をチェックした方も少なくないでしょう。

NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』主題歌の同曲が、ドラマ第2週最終日の放送終了直後にミュージックビデオ公開を合わせることもさることながら、金曜は米ビルボードにおけるグローバルチャートの集計期間初日に当たることもあり(下記リンク先参照)、施策の意味でも巧いと捉えています。YouTubeはこのチャートにてストリーミング指標に加算され、4月12~18日を集計期間とする4月27日付チャートでの動向に注目です。

 

 

続いては宇多田ヒカルさん。キャリア初となるベストアルバム『SCIENCE FICTION』を4月10日水曜にリリースしています。このリリースを踏まえ、今週月曜の弊ブログエントリーにて関連プレイリストを紹介しました。

相次ぐメディア番組出演も注目ですが、サブスクやYouTubeにてリリースパーティーを続々と開催したことも興味深い動きです。それもリリース当日、Apple MusicおよびSpotify(後者は有料会員限定)の加入者向けに、Stationheadを用いて実施しています。

Stationheadは歌手の推し活として、とりわけ音楽チャートを意識したファンダム内での施策として用いられていますが、歌手の中にも取り入れる方は少なくありません。その中で宇多田ヒカルさんが実施するということを、とても興味深く感じた次第です。なおStationheadについては下記エントリーにて紹介しています。

 

 

さて、宇多田ヒカルさんと同じく1998年にデビューしたaikoさんによるシングル「相思相愛」がヒットの兆しをみせています。

「相思相愛」は劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』主題歌として4月12日金曜に配信開始。この配信と同時に公開された映画は、シリーズ最高の興行収入を記録した前作(劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』)を上回る好スタートを切っています。そうなると前作主題歌として大人気となったスピッツ「美しい鰭」クラスの、ベテラン歌手によるサブスクヒットが期待できるのです。

「相思相愛」はその解禁日における日本のSpotifyデイリーチャートで50位以内に初登場し、好発進を記録。これはSpotifyの各種キャンペーンも功を奏した形ですが、LINE MUSICでも50位以内に入り、サブスクサービスに関係なく上々の出だしをみせているのがポイントです。Spotifyとのキャンペーンは、映画を観た方に対しaiko「相思相愛」を、サブスクサービスの区別なくチェックする動機を与えているといえるでしょう。

 

 

aikoさんが「相思相愛」をリリースした4月12日には、Mrs. GREEN APPLEライラック」もリリース。こちらはテレビアニメ『忘却バッテリー』(テレビ東京ほか)のオープニングテーマとして起用され、ミュージックビデオもリリース日に公開されました。

Mrs. GREEN APPLEにおいては今年1月リリースの「ナハトムジーク」に続き「ライラック」でもコンテンツカレンダーを用意。K-POPで徹底されている施策をMrs. GREEN APPLEもきちんと実施し、リリース直後までのスケジュールを公開することでコアファン、さらにはライト層にも新曲への期待度を高めることに成功したといえるでしょう。

日本におけるSpotifyデイリーチャートではフラゲ日に51位初登場を果たし、翌日に早くもトップ10入り。日本の1日の区切りが24時以降であるためこのようなフラゲ的ランクインが生まれるのですが、これは歌手の人気のみならず曲への注目度の高さゆえとも考えられます。

 

 

日本時間で4月15日月曜、現地時間の14日日曜に開催されたコーチェラ・フェスティバル1週目の最終日、88risingのステージには日本の歌手が4組登場(サプライズ出演を除く)。その中の一組であるNumber_iは4月12日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日)にてNumber_iとして初出演、そしてNumber_iがかつて所属していた事務所に現在も在籍するWEST.および20th Centuryと共演を果たしました。

Number_iは4月1日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)にてTravis Japanと同じスタジオにいたものの両者が一度に同じ画面に登場することはなかったのですが、『ミュージックステーション』ではがっちり共演。歌手間での交流がきちんとあることが解り、安堵した方はきっと多いことでしょう。ただ、自分はまだ完全な状況ではないと感じてもいます。

そのNumber_iは、ファーストシングル「GOAT」のフィジカル盤におけるカップリングの1曲だった「Blow Your Cover」を4月12日金曜にセカンドシングルとして、複数のバージョンを加えてデジタルリリース。金曜リリースは先述したようにグローバルチャート向けの施策ともいえます。88risingのフックアップ、コーチェラ・フェスティバルの出演が、世界への意識を高めたといえるかもしれません。

 

 

Number_iのメンバーがかつて所属していた旧ジャニーズ事務所では、4月10日水曜に所属歌手が一同に介したイベント『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』を開催。このイベントは後日大阪でも開催されますが、東京公演の終了後となる同日21時、STARTO for you名義にて「WE ARE」を配信開始。収益が能登半島地震で被災された方への義援金に充てられるのですが、フィジカルに先駆けてデジタルリリースされたのが特徴です。

ジャニーズ事務所所属歌手による直近のチャリティーソングにはTwenty★Twenty名義での「smile」があり、デジタル先行/フィジカル後発リリースという点でも共通していますが、しかしデジタルは期間限定の解禁にとどまり、今回の「WE ARE」においても同様の模様です。

※本シングル、ならびに配信楽曲は、すべて2024年12月31日までの期間限定販売となります。

チャリティーソングゆえの措置かもしれませんが、しかし聴かれ続ける限り利益が発生することを考慮すれば、解禁を続けることは重要と考えます。そしてデジタルに明るくないという姿勢を組織変更後も踏襲している旧ジャニーズ事務所側に対し、逆風が吹き続けるのではないか、変わったことを訴求できないのではないかと捉えています。

(なお、その旧ジャニーズ事務所から新たに”CDデビュー”するAぇ!groupについては後日採り上げ、私見を記します。)

 

 

海外ツアーを開催、またコーチェラ・フェスティバルでは88risingステージ共々単独でも登場したYOASOBI。彼らの代表曲「アイドル」の英語詞版(「Idol」)を含む英語詞EP『E-SIDE 3』が4月12日金曜にデジタルリリースされています。

「Idol」は金曜リリースされたことで日本の楽曲として初めて、米ビルボードによるGlobal Excl. U.S.(Global 200から米の分を除く)を制しています。YOASOBIとしてのコーチェラ・フェスティバル出演が4月12日金曜(現地時間)であり、そのことも意識したリリース日設定といえるでしょう。やはりYOASOBIのチャート意識は高いとあらためて感じています。

 

 

そして、海外のプロデューサーや歌手と組むことが増えた藤井風さんにも注目が集まっています。藤井さんが出演した『tiny desk concerts JAPAN』(NHK総合 3月16日放送)が、本家タイニーデスクを企画したNPRのYouTubeチャンネル経由で4月12日金曜に公開されました。

今回のNPRでの公開(転載)は、NPR側が藤井風さんのパフォーマンスを観て決めたとのこと。韓国にもこの企画がありながらNPRにも掲載されるのは一部に限られ、藤井さん出演回の転載の判断もこの韓国版の流れと似ているかもしれません。

藤井風さん出演回の『tiny desk concerts JAPAN』、そのNPRのYouTubeチャンネルにおける再生回数はブログ執筆段階(4月16日8時時点)で既に104回再生を突破しています。この数値が、今後の『tiny desk concerts JAPAN』の本家NPRでの転載につながり、日本の音楽を広める契機と成るかもしれません。

 

 

今回紹介した作品の動向は4月17日公開分のビルボードジャパンソングチャートやアルバムチャート等に影響します(上記Spotifyの動向等参照)。これら紹介作品の中から2024年を代表するヒット曲が生まれるかもしれません。そして大晦日の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)にて出場当確となる歌手も出てくる予感がします。

また、4月20日付や4月27日付の米ビルボードによるグローバルチャートにも注目です。日本の楽曲がグローバルでヒットすれば、コーチェラ・フェスティバルをはじめとする海外の音楽フェスにも日本の歌手が招聘されていくことでしょう。

そして今回紹介した作品はいずれも興味深い施策を行っています。ともすれば施策に対してネガティブな見方を行う方もいらっしゃるかもしれませんが、施策がコアファンとのエンゲージメント強化やライト層へのリリースへの気付き、また初動を高める効果として重要な意味を持つということを理解していただけるならば幸いです。

【海外ビルボード】「Like That」が米で、「Beautiful Things」がグローバルチャートで連覇を達成

現地時間の4月15日月曜に発表された、最新4月20日付米ビルボードソングチャート(集計期間:4月5~11日)。フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」が初登場から3連覇を達成しています。

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